どういふ風に着けたかといふこと

あの埴輪の馬を見ればよくわかります。日本書紀といふ古い歴史の本に、次ぎのような話が書いてあります。むかし、雄略天皇の御時、河内の安宿郡の人に田邊伯孫といふ人がありまして、その娘が古市郡の人へかたづいてゐましたが、

ちょうど赤ちゃんを産んだので、伯孫はお祝ひにその家へ行きました。その歸りがけ、それは月夜の晩のことでありましたが、あの應神天皇(伯孫の時から百年ほど前に當る)の御陵の前を通りかゝると、非常に立派な赤い馬に乘つてゐる人に出會ひました。自分の馬はのろくてとても叶ひませんので、その馬をほしく思ひ、いろ/\話をして馬を取りかへてもらひ、喜んで家へかへりました。ところが翌日厩へ行つてその赤馬を見ますと、驚いたことには、それは土の馬でありました。これはへんなことだと、伯孫はゆうべの應神天皇の御陵の所へ行つて見ましたら、自分の乘つてゐた馬は、御陵の前にある埴輪の土馬の間にをつて、主人をまつてゐたので、またびっくりしましたが、やうやくその馬と土馬と取りかへて
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