用ひたのはむりもありません

日本に古くから行はれてゐた作りの刀劍もやはり用ひられてゐたものであります。例へば劍の柄のところを鹿の角で裝飾し、その上に外國では見られない直線や弧線の組み合せた模樣をつけた日本風な刀劍が、外國的な刀劍と同時に

用ひられてゐたのであります。これはそれらの刀劍が同じ墓から、一しょに發見されることでよくわかります。
昔の人は、今日田舍の樵や農夫が山へ行く時に、鎌や斧を腰に着けてゐるように、きっと何か刃物を持つてゐたものと思ひます。また皆さんが學校へ行く時、鉛筆をけづつたりする場合にないふが必要であるように、昔の人も常に小刀を持つてをりました。その小刀を刀子と申しますが、それが墓場からたくさん發見されます。この刀子は男ばかりでなく、女の人もお守りに持つてゐたと思はれますが、その鞘は木でつくつたものゝほかに、毛のついた皮を縫ひ合せてつくつたものが、一般に行はれてゐたようです。そしてお墓の中にほんとうの刀子を納めたばかり
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