あとであそこにある紅茶を

調べてごらんなさい。何か判らないが、劇薬がはいつているにちがいありません。……さだ子さん、あなた少しも呑まなかつたでしようね
「はい、私別にのどがかわいておりませんでしたので」
「林田があなたにすすめやしませんでしたか」

「いくらあいつがあわてたつて、それ程へまなことはやりますまい。それに第一、そんなひまがなかつたろう」
「ほんとにさうでございます。まだいくらもお話しない間に外がさわがしくなつたものですから」
「それにしてもあいつ、いつの間に鍵をかけたのかしらん」
さあそれでございます。私が林田さんとお話をしようとしていると、その時、今からおもえば先生方なのでしたが、俄かに階段を上つて来る人の足音が聞えたのでございます。それをきくと、林田さんは、サッと顔色をかえて、ドアの所に走りより、中から鍵をかけてしまいました。鍵はいつもドアの内側に附いているのでございます、私は、まさかあんなことになるとは思わず何か余程重大な話がある為に、そういうことをしたのかと思つておりました。
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