通らなければならなかったのです

はじめは、余り私が嫉妬深いので、わざと妻が私にからかって居るのではないか、と思いました。いや、むしろそうであってほしいと願ったのです。自白する妻の前で私は歎願しました。どうか今まで云った事は嘘だと云ってくれと!

しかし、妻の告白は全く間違いはなかったのです。ただ敏子は、過去の罪はあくまで自分でわびるが、将来は決して左様な事はしない、否、将来ばかりではない、結婚後だって無論そんな事はない。只あれは結婚前の過失だから、どうか許してくれと申すのです。先生、こう云われてはどうすればいいのです。未練な私は敏子をまだ愛して居るのです。妻の涙を許すより他仕方がなかったのです。
その頃妻は妊娠して居ました。私は妻の告白後、その腹の児を疑ったのです。しかし、これに対して、妻は断固として私の疑いの根拠のない事を主張しました。妻とこの話をする度に、私はそれをきかされました。きかされては、心で安心したのです。しまいには疑いが心に食い入って来る
最近、ネットで流行ってるらしいネットナンパは意外と簡単らしい。