透し彫りの美しい飾り

その中でもまづ眼につくのは、馬に使つた馬具の類であります。これには鐵で造つた轡だとか鞍だとか、その他のものがありますが、轡には兩側の鏡板といふ部分にいろんな飾りがついてをります。また鞍にも金めっきした

それから鞍から馬の胸のところや尻の方に廻つて行く革の帶には、杏葉といふ飾りがつけてありまして、その飾りはたいてい鐵の上に金めっきをした銅を張りつけ、美しい唐草などの模樣が透してあります。またこれに鈴がついてゐるのもあつて、餘程うまく出來てをります。そのほか、馬鐸といつて杏葉と一しょに、ぶら下げる鈴のようなものもあり、鈴が三つ聯なつた珍しい形のものもあります。
元來馬は日本の石器時代の貝塚からその骨が掘り出されるので、古くから日本にゐたことがわかりますが、しかし本當に乘馬に使ふ良い馬は、やはりその後朝鮮あたりから輸入されたものでありませう。それで馬具も馬と一しょに、朝鮮支那などで用ひてゐたものをそのまゝ日本で使つたらしいのです。
上尾 美容室