妻が断固として

私の疑いを破壊してくれるのを頼りにしていたような男らしくないひねくれた私になってしまいました。
昨年の夏、妻は遂に女児を生みました。ひろ子という名をつけて妻は愛し切っています。しかし、私はひろ子が生まれたその時から、

その顔を見たその時から、何故か『これは俺の子ではない、あいつの子だ』と感じたのでした。不幸な事です。しかしほんとうの話なのです。近所の人は私に似て居るとお世辞を云っています。けれどどう見たって私の顔に似て居るとは考えられませぬ。私は水原に似ているとははじめ考えませんでしたが、しかし、自分の気のせいか、目のあたりが、私よりも彼に似ているように思われて来ました。
そうして、日がたつにつれて、だんだんと面ざしが彼に似て来るように思われるのです。
私は或る一夜、眠れぬままにいろいろに考え耽りました。敏子は過去の罪を自白した。しかし、これは自分としては許したのだ。許さざるを得なかったのだ。敏子が心を改めている以上、自分は過去を凡て葬り去ってしまわなければならない。
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